【プログラムのご紹介】コンペティションB

こんにちは!
1年で一番好きな季節🍁がやってきました!嬉しい!本祭部の勝井です。

秋の夜長には映画を観たくなりますね🎦🌙
思い出深い入選作品が大きなスクリーンで上映されると思うと今からわくわくします🎶

みなさんにも入選作品の魅力を知っていただくべく、今回はコンペティションBの作品をご紹介します。

↓コンペティションBの上映スケジュール↓

11月25日20:10〜22:20
11月29日17:35〜19:45
『SARA THE DANCER』2017年/13min/ドイツ<実写>

Tim Ellrich
Filmakademie Baden-Württemberg

<受賞歴>
・クレルモン・フェラン国際短編映画祭 審査員特別賞
・オスカー・クオリファイング賞
・プチョン国際ファンタスティック映画祭 審査員賞、観客賞
・モスクワ国際映画祭2016ノミネート
・パームスプリングス国際短編映画祭2016ノミネート
・ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2016ノミネート
・メルボルン国際映画祭
・バーデンヴュルテンベルク フィルムショー2016 映画賞

<あらすじ>
サラはGoogleストリートビューカメラであり、車上から街を撮影するのが定めであった。しかし彼女がはじめてドライバーのラリーの音楽を聴いたとき、何かが彼女を揺り動かしはじめたのだ。このためにひどく落ち着きを失ったサラは、Google検索に救いを求める。しかし、Googleはただユーザーに「最善」の方法を提供するのみであり、かえって彼女の望みを後押しすることとなる。その答えは急速に、彼女のカメラとしての存在意義に関する葛藤を招いたのであった。

<実行委員による審査講評>
”AIは現代を踊る”
昨今、バーチャルリアリティは現実にも劣らないほどの体験をもたらす。見たいものはいつでも見ることができ、すべて思考は過去の思考として蓄積されてゆく。事実の境界線はさらに曖昧なものになりつつあるのだ。声を持ち、感情に振り回され、夢を語る。そんな存在が人間でないと一概に断ずることなどできるのだろうか。現在進行形のこの世界を、私たちは捉えきれているのだろうか。

<実行委員のコメント>
私たちも知らず知らずのうちに過去の自分の思考を蓄積したGoogleと会話してるかもしれません。


『here AND there』2017年/4min/日本<アニメーション>
小光(Komitsu)
東京藝術大学

<受賞歴>
・第13回吉祥寺アニメ映画祭 一般部門ノミネート
・第4回新千歳空港国際アニメーション映画祭 日本コンペティションノミネート

<あらすじ>
こちらとあちら、あちらとこちら。初夏のある日、3つの風景で起きる小さな出来事たち。

<実行委員による審査講評>
”海辺のこそあど日常”
くすりと笑えるコミカルな日常は、こそあど言葉で溢れている。ふと空想を膨らませ動かしていた遊び心、それは頭を飛び出し映像になった。オムニバスに結ばれた、繋がらないようで繋がりをみせる世界はおどろきに溢れ、観るものを飽きさせることなく展開し続ける。

<実行委員のコメント>
かわいい絵と音。日常世界の連鎖も案外やさしいものなのかもしれないですね。


『Race』2016年/3min/イギリス<アニメーション>

Yan Dan Wong
Kingston University

<受賞歴>
・Animasyros 2017・SICAF 2017・Anima Mundi2017・F'est Anča2017・Anifilm 2017・IAFF GOLDEN KUKER - SOFIA 2017・Be there! Corfu Animation Festival 2017・Holland Animation Film Festival 2017・Monstra Lisbon Animated Film Festival 2017・Animac 2017・British Shorts Berlin 2017・London Short Film Festival 2017・LIAF London International Animation Festival 2016・Exground FilmFest 2016・Crsytal Palace International Film Festival 2016・KLIK! Amsterdam Animation Festival 2016・Primanima World Festival of First Animation 2016
(全てノミネート)

<あらすじ>
薬、シャワー、食事、寝かしつけ、その繰り返し。娘は老いた母親の日々の必要ごとのために介護のレースを走る。もうこれ以上耐えられなくなって母親を拒絶した時、レーストラックが壊れて・・・

<実行委員による審査講評>
"このバトンは、ほかの誰にも託せない"
肉親であれ、他人の人生の一端を大なり小なり肩代わりするというのは、まさしく「レース」。娘は母を愛し、また愛されていたが、周回を重ねるごとに心は軋みはじめる。介護という大きな問題に踏み込むこの一作において、その画風は決して悲愴感を煽らない。淡々としたリズムがかえって恐怖心を呼び起こすのである。

<実行委員のコメント>
介護の辛さは世界共通。辛いルーティーンがレースのトラックで表現されていて共感を呼びます。


『沈没家族』2017年/72min/日本<実写>
加納土
武蔵大学

<受賞歴>
・PFFアワード2017 審査員特別賞

<あらすじ>
私の母はビラを撒いて、幼い私を育てるため家にいない間、代わりに保育してくれる人を募集した。集まった大人たちで始まった共同保育の取り組みは、「沈没家族」と名付けられた。そして15年が経ち、大人になった私は保育人たちに再び会いにいくことにした。

<実行委員による審査講評>
”つくられた家族、つくる家族”
この映画で投げかけられる生命の営みへのラディカルな問いは、家族とはそもそも必要なのか、ということまでも射程に含む。血縁や地縁、果ては義務感からも離れた対話の異様なまでの客観性が露わにするのは、常識や道徳を乗り越えたところにある人間観である。フィクションとノンフィクションの間を横断し、およそ20年の時をも飛び越えるこの怪作を取り上げるのは責務とすら感じる。

<実行委員のコメント>
特殊な家族の形。それは私たちが当たり前と感じている家族の形に違った視点を与えてくれます。

いかがでしたか?
気になる作品がありましたらぜひ映画祭にお越し下さい。

まだまだ作品紹介は続きます!
次回はコンペティションCです。
お楽しみに🍁🍁