【本祭レポート】映画留学
本日は2日目のプログラムレポートです!
まず1プログラム目は
トークを担当した実行委員長の宮本くんがお届けします。
熱量のあるレポート、
とくとご覧あれ!!
↓↓↓
11月27日(日)16:45~
映画留学~海外で映画づくりを学ぶ~
●登壇ゲスト
『Oh Lucy!』
プロデューサー 夏原健
『小春日和』
監督 齋藤俊道
※『自由人』の柯汶利監督はご都合により来日キャンセルとなり、大変申し訳ありませんでした。
当日はあいにくの雨。
お客さんの足が遠のくのではと心配でしたが、たくさんの方にお越しいただきました!
11月18日のブログ(https://kisfvf.amebaownd.com/posts/1632132)でも紹介した通り、海外の映画学校に留学して作品づくりを学んだ監督にフォーカスした特別招待企画です。
↑MCの上田さん
昨年の「Worldwide Collection~世界を目撃せよ~」も、4か国の学生映画を集めて各国の若手の製作環境を探るという企画でしたが、実際の映画づくりに携わったゲストはお招きできませんでした。
しかし、今回は上映作品のプロデューサーと監督にご来場いただけて、さらに魅力のある企画になったのではないかなと思います!
企画趣旨の通り、3作とも監督が母国を離れて撮影した学生映画ですが、もう一つ共通点があります。それは夏原さんがすべて脚本段階から関わられた映画だということです。
平柳監督はアメリカ在住のため、ご来場は叶いませんでしたが、夏原さんからのご紹介によると、元々演劇を学ばれて俳優として活動されていたとのことです。しかし結婚・出産を経て、映画監督を志すようになり、ニューヨーク大学大学院のシンガポール校に入学されました。映画にかける情熱が人一倍強いからこそ、すばらしい作品を撮ることができたのですね!
齋藤監督は、同志社大学ご出身。大学から自主映画制作を始められました。元々中学生の頃からたくさん洋画を観て、将来は映画に携わりたいとの思いを持たれていたそうです。好きな監督の経歴を調べてみると、ニューヨーク大学大学院の映画学科を出られた方が多かったということで、実際に目指し、ご入学。大学院では、映画づくりに必要なスタッフのポジション(監督、脚本、プロデュース、編集、撮影、照明、録音……など)すべてを学び、3年間土日も休みなく映画を撮り続けられたそうです!
話題が変わりますが、海外の映画学校はプロデュース体制が整っている印象があり、『小春日和』の製作費をどのように集められたのかをお聞きしました。大学院からの補助はすべての作品に一律で23万円ほど、クラウドファンディングで100万円ほど、そしてスパイク・リー監督の編集助手を務めたお金を合わせてやっと半分くらいだそうです。トータルで600万円ほどの製作費の残り半分は、ロケ地である岡山県高梁市のフィルムコミッションや商工会議所のご紹介で地元の企業から協賛を募られたそうです。
印象的だったのは、「支援はお金だけではない」というお話です。地元の方々にお弁当を作っていただいたり、無償でエキストラに参加していただいたりと、ロケ地にお住いの皆さんの心温まる支援があって、『小春日和』は完成したそうです。
一方、『Oh Lucy!』は桃井かおりさんが主演されていることで話題となりましたが、なんとボランティア出演なのだそうです。平柳監督は、ある映画祭で審査員を務めていた桃井さんと出会ったことがきっかけで、出演交渉に成功されました。2作とも単にお金だけではなく、人と人との関係によって作りあげられたすばらしい作品なのです。
充実したお話をしてくださいましたが、時間に限りもあり、最後に観客の方からのご質問をいただきました。
「海外で映画づくりを学ばれた齋藤監督の『小春日和』は、お葬式の描写などがとても日本的です。それはなぜなのでしょうか?」というご質問。
齋藤監督は、課題制作では外国人キャストで全編英語の「洋画らしい映画」も撮られていたそうですが、海外で学ばれるうちに、日本人としてのアイデンティティーに向き合わざるを得なくなったとご返答。外国の人々に囲まれている中で、日本人であることは一つの強みとなります。卒業制作の『小春日和』にはそれを活かそうという思いがあったそうです。
まだまだお話をうかがいたいところでしたが、これにて終了です。
ご登壇いただいた夏原さん、齋藤監督、本当にありがとうございました!
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