『Australia』(メキシコ)

あらすじ

エレナは、40歳を迎えて不妊に懊悩する女性である。最後と決めた挑戦も報われず、一方彼女の隣人は赤ちゃんとともに病院から戻ってきた。エレナは隣人がいない間に隣の家に忍び込み、赤ちゃんモニターを持ち帰ってドアの向こうでなにが起きているのか盗み聞くようになった。


実行委員による審査講評

”そして彼女は「声」を盗んだ”

偶然に隣あわせた二人の対比は、望みの叶わぬ女性の満ち満ちた狂気を鮮烈にし、この作品の奥行きを拡げていく。卓越した撮影技術と演出力により、私たちは徐々に現実と非現実の境目を見失うのだ。自然光を採り入れた照明、環境音の増幅が生むサスペンスはともに狂うような共感覚を与えてくれる。



監督について

Rodrigo Ruiz Patterson

1987年5月9日、メキシコシティ生まれ。映画やテレビドラマ、広告において助監督として活動する。その後メキシコ映画技能センターを卒業。


コメント

この映画をぜひ楽しんでもらいたいです。これは卒業制作であり、私の友達や家族のおかげで作りあげることができた作品です。ご覧いただけることを大変うれしく思います。


影響を受けた監督や作品

ジョン・カサヴェテス―『こわれゆく女』 デヴィッド・リンチ―『ブルーベルベット』 ミケランジェロ・アントニオーニ―『太陽はひとりぼっち』



作品情報

実写部門

メキシコ/2016年/29min

Centro de Capacitación Cinematográfica

スタッフ:

<製作総指揮> Rodrigo Ruiz Patterson/Pablo Perez Lombardini

<脚本>Rodrigo Ruiz Patterson/Claudia Sainte-Luce

<撮影> Galo Olivares

<編集>Rodrigo Ruiz Patterson/Ernesto Martínez Bucio Diseño de Sound Design: Omar Juárez Espino

<音響>Ernesto Martínez Bucio, Loretta Ratto

<音楽> Ganggaajang

<美術> Federico Cantú Diseño de Vestuario 

<衣装デザイン> Ana Paula Enriquez

<制作> Centro de Capacitación Cinematográfica, A.C.