『私には未来がある』/ 日本

あらすじ

「ぼく」の生活を描いた日常系アニメ。この作品は要素の寄せ集めでしかない。私自身もまた、要素の寄せ集めでしかない。



実行委員による審査講評

"すべてがぐちゃぐちゃになった世界で"

確かな技術と表現の引き出しの多さに裏打ちされた豊穣な視覚イメージにただ圧倒される。自己と他者、現実と虚構の境界を見つめ、その心象風景の曖昧さを曖昧なまま描き出す。ドローイングやコラージュだけにとどまらず、「萌え絵」やフラッシュ動画を映像に取り入れる身のこなしの軽さは、平成生まれの作家ならでは。予測不能で不安感を煽り続ける映像は、観客を全く飽きさせることがない。さらには自らが丹念に作り上げた作品世界すらも、一つのモチーフとして消化/昇華してしまう軽やかさこそが、この作家の真髄なのかもしれない。


監督について

大内りえ子

1990年北海道生まれ。アニメーションを中心に映像制作を続ける。制作テーマは日常が持つ暴力性と歪み、その崩壊について。"ネガティブなこと"が持つ物語性と熱量を咀嚼し、再構築している。


コメント

歴史ある映画祭で上映していただけて大変嬉しく思います。少しでも楽しんでもらえれば幸いです。


影響を受けた監督や作品

パット・オニール


作品情報

2016年
北海道教育大学大学院
15min<アニメーション部門>
スタッフ:<監督・制作>大内 りえ子