【本祭レポート】ラテンアメリカ映画特集
本日2回目のブログは
ラテンアメリカ映画特集です!
担当は岡田です。
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11月28日(水)19:25~
ラテンアメリカ映画特集〜水魚の交わり〜
●登壇ゲスト
Action.inc代表 比嘉セツさん
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第五日、2プログラム目は
World Wide企画、『水魚の交わり』
トークショーのゲストには
ラテンアメリカ映画の配給などをされている、Action.inc代表の比嘉セツさん
MCの小島さんによるアナウンスでトークショーがスタート。
まずは、比嘉さんからラテンアメリカ映画の歴史についてお話しいただきました。
近年のラテンアメリカ映画シーンにおいては、ヨーロッパからの助成金が出ていること、海外の映画祭でも評価されていることがあり、注目度が高まっているそうです。
日本でも、これまでより多くのラテンアメリカ作品が公開され、われわれが作品を見ることのできる機会も増えています。
次に、今回上映された各作品についてお話ししていただきました。
『Amphibian』
人間を圧倒するような自然環境の中で、兄弟間などの人間関係を中立的・客観的に表現しているところにこの作品の特徴があります。
『Downstream』
表には出てこない家族間の微妙な関係を描き出すために、登場人物の表情や所作を切り取るような映画的表現が多かったことが特徴的でした。
それは車の中の会話を外から撮影し、フロントガラスの反射を用いる手法などに表れており、スペインのホセ・ルイス・ゲリン監督の『ミューズ・アカデミー』にも用いられています。
『Wild Flowers』
3作品の中で唯一原作を下敷きにしている作品であり、会話の中でその物語をどう脚色するかという点に難があったのですが、主人公マルタの次々と変化する表情・感情が、学生監督とは思えないほどきっちりと描かれていたところに魅力がありました。
ちなみに、原作はポーランドのヤロスワフ・イヴァシュキェヴィッチの『菖蒲』という短編小説であり、アンジェイ・ワイダ監督も同小説を原作に作品を撮影しています。
全てをお話ししたいところですが、紙幅の都合上、最後にトークショーの内容を一部紹介させていただきます。
ラテンアメリカの映画製作の環境について。
経済的にも豊かであるとは言えない地域なので、常に挑戦的な作品が多くなっています。
特にメキシコ、チリ、アルゼンチン、キューバは映画に力を入れています。
例としてキューバに焦点を当ててみましょう。キューバは革命直後識字率があまり高くなかったので、ドキュメンタリー映画を製作することで農地改革や住宅改革を伝えました。そのことから、映画製作の基礎は当時からあったと言うことができます。
トークショーの中でも申しましたが、日本でラテンアメリカ映画に触れることのできる機会は増えています。
近々京都シネマでも『彷徨える河』が上映されるので、興味がおありの方はぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
比嘉さんのラテンアメリカ映画に対する深い洞察のおかげで、観客の方からも多く質問をいただき、トークショーは盛り上がりました。
比嘉さん、ありがとうございました。
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